今日はスペイン巡礼の旅(世界遺産を歩く旅)へ行ってきた
社員の旅の話を載せたいと思います。
ブログで紹介したいと伝えると
文章を作成してきてくれたので
そのまま掲載したいと思います。
以下、全文です。
キリスト教ではローマ、エルサレム、
サンティアゴ・デ・コンポスティラが
三大聖地と言われています。
今回はその一つであるスペインの西の果てにある
サンティアゴへ行ってきました。
サンティアゴはイエスキリストの第一番目の弟子である
聖ヤコブのお墓が有る所で
ヤコブはスペインに赴き布教活動を行い
最後はエルサレムで迫害され斬首されたという事で
年間20~30万人の人がこの地を目指して訪れる
1000年の歴史を持つ巡礼道の最終地です。
フランスから国境をそしてピレネー山脈を越え
約800キロの道乗りを一日平均25キロ程、
村から町へと歩き続け
目的地に着くと、アルベルゲと呼ばれる
巡礼の宿に泊まるという毎日の繰り返しでした。
アルベルゲは1泊1,000円前後の宿で
2段パイプベッドで男も女も一まとめの
およそプライバシーの無い
寝る時は耳栓とアイマスクが手放せない所でした。
朝は5時起床、6時出発10キロ程の重いザックを背負い
午後2時過ぎに次のアルベルゲに到着すると
まずベッドの確保、次に洗濯
そして町の散策や買物などをして
あとは食べて ワインとビールを飲んで寝るという毎日でした。
キリスト教徒でもないのに、どうしてそんな所へ行ったのか?
最初に義弟(妹の夫)がこの話を持ってきました。
素晴らしい所らしいから行ってみませんかと誘いを受けました。(出発の約2年前)
色んな本やガイドブックには
「毎日無心で歩き、そして食べて寝てまた歩く、
その繰り返しが魂を癒し、人生を蘇らせてくれる」
などと格好よく書いてありました。
私も今年で満70歳を迎え、
ここらで人生の節目という事で挑戦してみよう、
そして巡礼の旅が終わりそこからまた新しい人生の出発が
出来ればいいなあと思うようになり行くことにしました。
出発の準備に1年以上かかりました。
はたして800キロも歩けるのか出発間際まで心配になりましたが
終わってみればあっという間の40日間でした。
今回の旅では、まず色んな国の人たちと
たとえ言葉の壁があったにしろ仲良くなることが出来ました。
終着地点のサンティアゴ大聖堂の前で
涙を流しながら皆で喜びを分かち合うことが出来ました。
また巡礼道には、行先を示す黄色い矢印が石畳の上
木の幹、家の壁などに全ルートにわたり描かれ
次の町村までの距離を示す道標なども道路脇に設置されていて
スペインの人たちが本当に巡礼者達を寛容な気持ちで受け入れ
そして無料奉仕によって支えてくれている事にも感動しました。
長い旅のなかで、いろんな出来事がありましたが
巡礼の巡とは巡り合わせという事
自分の力ではどうにもならない事もたくさんありました。
しかしそれを受け入れる(許す)寛容な気持ちが
大切な事だと思いました。
最後に、支えて頂いた廻りの皆さんや家族のお陰で
無事旅を終えることができ感謝します。